
「頑丈」はどう作られる?デザインと安全性を両立するdinosの商品づくり
<このストーリーを話したひとたち> 安井 俊介 dinos 品質管理部 舛谷 恒樹 dinos 家具収納室MD家具を選ぶ上で多くの人はデザインや機能性に注目します。けれども毎日使うものだからこそ欠かせないのが「安全性」です。この安全性に関して、家具づくりの現場には一つのジレンマがあります。頑丈さを追求すれば見た目は無骨に。デザインや使い勝手を優先すれば強度との両立が難しくなる。どうすれば最適なバランスを実現できるのか、今回は人気商品「北欧ナチュラルの頑丈突っ張りラック」を例に、商品企画を担当したMD(マーチャンダイザー)の舛谷恒樹(写真・右)と品質管理担当の安井俊介(写真・左)に、開発の舞台裏と安全性へのこだわりを聞きました。
北欧らしいデザインと頑丈さ
その両立を目指して
「北欧ナチュラルの頑丈突っ張りラック」は、その名の通り「頑丈さ」が売りの商品です。棚板1段あたり20kgという高い耐荷重を実現したことで、本をぎっしり収納できるだけでなく、スピーカーやキャンプ用品など重量のあるものも安心して置くことができます。
一方で、白とナチュラルを基調とした北欧テイストを採用し、リビングにも自然になじむデザインに仕上げました。
家具を担当して長いMDの舛谷は、企画の意図を次のように語ります。
「見た目がよくて頑丈なシェルフって意外と少ないんです。でも毎日使うものだからこそ、本来はそのどちらにも妥協したくないはず。耐久性が高いだけでも、見た目が洗練されているだけでもない、その両方を満たす商品を作りたいと考えたところから、構想を練っていきました」
さらに、従来のビス固定ではなく、棚板を自由に付け替えられる「引っ掛け式」を採用しているのも、この商品の大きな特徴の一つです。
「ビスで固定した方が、当然のことながら強度は出しやすいです。でも、お客さまの中には複数の棚を並べて利用される方も多く、そうすると後から棚の高さを変えづらい。そこで今回は引っ掛け式を検討することにしました」
使いやすさを優先しながら、どうすれば同じ強度を確保できるのか。メーカーと何度も検討を重ね、「デザイン」「使いやすさ」「頑丈さ」の三つを満たす形を追求していきました。
販売開始前にも
安全性を再確認
商品が形になり、工場で試作品を確認した後は試験を実施します。商品によって試験方法は異なりますが、国内の標準規格である「日本産業規格(JIS)」をベースにしたdinosの品質基準「ディノススタンダード」に照らして、安全性を細かく確認します。
「ディノススタンダード」を管理する、品質管理部の安井は「例えば、耐荷重表示20kgの商品であれば、試験ではその倍となる40kgを載せます。24時間その状態で置き、どれくらいたわむかまで確認する。この試験に合格して初めて『耐荷重20kg』と表示できる基準になっているんです」と説明します。
さらに、販売開始前には商品内容や組み立てにかかる時間がお客さまにご案内している通りかを確認するため、お客さまのもとに届くのと同じ、ダンボールに梱包された状態から商品を荷解きし、一つひとつ部品を組み立てていきます。
あわせて、安全性に関する再確認も実施。押したり引いたり、揺らしてみたり。実際の利用シーンを想定してさまざまな角度から検証し、リスクを取り除いていきます。その過程で何か見つかれば、やはり差し戻しです。
「もっと基準を緩くすれば、その分だけ価格を抑えたりデザインの自由度を上げたりすることもできる。でも、お客さまに安心して使っていただくため、ここは譲れないところだと思っています」
安心を支えているのは、
くらしへの想像力
品質管理というと、基準にしたがって機械的に数値をチェックする仕事という印象を受けるかもしれません。しかし安井は「一番大切なのは想像力」だと話します。
「数値だけでは見えてこないことがありますし、試験では問題なくても、実際に使うと不便だったり、思わぬ危険があったりすることもある。ですから『自分がお客さまだったらどう使うだろう』という視点が欠かせないんです」
この考え方は、商品企画にも共通しています。「売れる商品」を考えるのが使命の舛谷も、お客さまの実際のくらしを具体的に想像できるよう、自宅でも積極的にdinosの商品を使っています。
また、これまでもdinosは商品の安全性の確保を徹底してきましたが、近年は「デザインと安全性をどう両立するか」という視点が社内に一層浸透。例えば引き出しが付いたチェストでは、MD同士で「安定して使えるように、正面のデザインは活かしつつ、背面側に重さを付けて重量バランスを変えてみたら?」などと率直に意見を交わす場面も増えてきています。
「今後も安全性の追求はそのままに、素材や機能、デザインにもこだわったdinosならではの商品を作っていきたいです」と意気込む舛谷。安井も「品質管理の取り組みは裏方ではありますが、『安心して買ってください』とお客さまに胸を張って言えるように、これからも突き詰めていきたい」と力を込めます。

